合葬と合祀ってなんのこと?詳細について簡単に解説いたします
目次
納骨の仕方が異なる!合葬と合祀の違い
合葬とは、「合わせて葬る」という名前のごとく、他の複数の骨壺と同じ場所に葬ることです。
従来の日本では、血縁者のみを1つのお墓に埋葬するのが一般的でしたが、合葬は納骨堂などで見ず知らずの他人の骨壺と一緒に供養します。
合葬したお墓は、お寺などで永代供養墓、公営霊園で合葬墓・合葬式墓所・合葬式納骨施設などと呼ばれていますが、名前が異なるだけで供養の仕方は同じです。
合葬された遺骨は永久にそのままというわけではなく、一定期間が過ぎたら骨壺から遺骨を取り出し、他の遺骨とまとめて埋葬されます。
これを合祀といい、合葬墓と区別して合祀墓と呼ばれることもあります。
合葬してから合祀されるまでの期間は寺によって異なりますが、13回忌や33回忌を区切りに合祀するケースが多いようです。
一方で、永代供養墓の中には合葬せず、最初から合祀するところもあります。
お寺やプランによって合葬・合祀の方法が大きく異なるため、永代供養墓や合葬墓の利用を検討している場合はニーズや目的に合わせて選ぶようにしましょう。
墓じまいや費用の節約など、合葬・合祀が適している3つのケース
日本では、先祖代々受け継がれてきた墓に家族や血縁者を埋葬する家族墓が一般的です。しかし、以下のようなケースでは合葬・合祀が適しているといわれています。
1. 家族に負担をかけたくない
お墓を継承した人は、維持管理費を払ったり法要を主宰したりと、いろいろな役割を担うことになります。
そのため、最近は子や孫に身体的・経済的負担をかけないよう、墓じまいを検討する方が多いようです。
墓じまいした場合、家族墓に納められていた遺骨は合祀され、ひとつのお墓で供養されることになります。
2. お墓を購入するお金がない
お墓を継承するのは基本的に1人ですので、跡継ぎを除く他の子供は別途自分達のお墓を購入しなければなりません。
お墓の費用はお寺やお墓の種類によって異なりますが、一般的な家族墓は100~200万円程度のものが多く、まとまった資金が必要です。
一方、合葬・合祀は10~30万円程度と費用が少なく、お墓の維持費用も不要です。お墓を購入するお金の工面が難しい場合、合葬や合祀を選ぶのも1つの方法でしょう。
3. やむを得ない事情で合葬・合祀になるケースもある
あえて合葬・合祀を選ぶ方がいる一方、やむを得ない事情で合葬・合祀になることもあります。
少子高齢化や都心部への人口集中が加速化している現代日本では、お墓を継いでくれる子がいなかったり、遠方に住んでいて管理が難しかったりするケースが少なくありません。
継承者がいない場合、家族墓の永代使用権が抹消されて無縁墓となり、埋葬されていた遺骨は最終的に合祀されます。
やり直しは不可!合葬・合祀する場合の注意点2つ
合葬・合祀を選ぶ理由は人それぞれですが、一般のお墓に比べてメリットがある反面、デメリットもあるので注意が必要です。
1. 一度合祀した遺骨は取り出せない
骨壺から遺骨を取り出して合祀墓に納骨すると、他の遺骨と一緒になってしまうため、後から家族の遺骨だけを取り出すことはできません。
納骨堂での合葬を選択したものの、「やっぱり個別に供養したい」と思った場合は、合祀される前にお墓を用意して引っ越し(改葬)を行う必要があります。
2. 家族・親族との話し合いは必須
やり直しがきかない合祀を選択する際は、家族や親族の同意が必須です。
合葬・合祀墓は他人の遺骨と一緒に供養されるため、お墓参りをしても故人を希薄に感じてしまい、抵抗を覚える方もいるようです。
勝手に決めてしまうと親族間のトラブルに発展するおそれもありますので、きちんと同意を得た上で合葬・合祀するようにしましょう。
【まとめ】
合葬・合祀は少子高齢化が進む現代日本で増加傾向にあるスタイル
日本ではこれまで、先祖代々受け継いできた墓に家族や親族を葬るのが一般的なスタイルでした。
しかし、少子高齢化や都市部への人口集中などによってお墓の跡継ぎがいない、あるいは墓地の高騰によって新たにお墓を購入するのが難しいなどの問題を抱える家庭が多くなってきた現代、納骨堂での合葬や合祀を選択する方が増えてきています。
合葬・合祀は一般のお墓に比べて費用が安い、管理をお寺に任せられるなどメリットは多々ありますが、一度合祀された遺骨は二度と取り戻せなくなってしまいます。後悔しないよう親族の方ともよく話し合った上で決断するようにしましょう。
合葬と合祀に関するよくある質問
- 合葬と納骨堂の違いは何ですか?
- 納骨堂は、骨壺の状態で1人分ずつ遺骨を預かってくれる施設のことです。合葬は、骨壺からは出して不特定多数の遺骨をひとつの墳墓に混ぜて納めます。合葬の方が管理費は安くなります。
- 合祀墓・合葬墓へのお参り方法を教えてください。
- お墓のつくりにも寄りますが、共用の参拝スペースがある場合が多く、そこで供花や線香を上げることができます。