終活でお墓を準備する際のポイントや方法を解説!
近年、自分が亡くなる前にお墓を用意しておこうと考える人が増えています。実際に2017年に行なわれた「第9回お墓の消費者全国実態調査」の結果によると、お墓の購入者の5人に1人は生前墓を所有しているとのこと。[注1]
そこで今回は、生前墓を用意するメリットやお墓の選び方について、詳しく解説します。
目次
終活でお墓を用意するメリット
自身の最期を迎える終活の一環として、お墓を準備する方は少なくありません。しかし、従来お墓は「その人が亡くなったら用意する」と考えられていたため、生前墓を用意するメリットはあまり知られていませんでした。
終活で生前墓を用意するメリットは、主に3つあります。
相続税の対象から外すことができる
相続税とは、亡くなった人から生きている人へ資産となるものを相続したときに発生する税金のことです。ここでいう資産とは「現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のある全てのもの」と定義されています。[注2]
一見、生前墓も「金銭に見積もることができる経済的価値のあるもの」としてみなされそうですが、実は相続税法第12条「非課税の財産」に該当します。さらに、民法897条2項の「祭祀財産」にも含まれるため、生前墓は相続税の課税対象からは外れるのです。
ただし、生前墓を建てる費用としての資産(財産)を相続する場合は、相続税の課税対象となります。
自分でお墓を決められる
2つ目のメリットは、自分のお墓について本人が決められることです。お墓に強いこだわりがある人はあまり多くないかもしれませんが、墓石の色や何か残しておいてほしい言葉などの要望があれば、実際のお墓に反映させて準備することができます。金銭的な面も相談できるため、予算に見合ったお墓を無理なく建立できます。
遺族の助けになることも
生前墓の用意がない場合、どうしても遺族の負担は大きくなります。
お葬式や相続の関係は仕方ないとしても、お墓選びまで遺族に負担をかけたくないと考える方は多いです。遺族を少しでも助けるといった意味でも、生前墓を準備しておくべきでしょう。
終活でお墓を用意する際の2つのポイント
終活でお墓(生前墓)を用意する際にポイントとなるのは、主に以下の2つです。
生前墓を用意するだけでも充分遺族の助けになりますが、そのお墓を管理する遺族のことまで考えられると、なお良いでしょう。
お墓の継承者問題
お墓の継承者は、あらかじめ決めておきましょう。
お墓自体も、なるべく継承者の住んでいる地域の近くに建立するのが望ましいです。故人ゆかりの地にお墓を建立するケースもありますが、継承者がその地域から遠い場所に住んでいると、お墓参りなどの負担が大きくなってしまいます。お墓を用意する前に、継承者とよく話し合っておきましょう。
お墓の維持費問題
生前墓自体に相続税や不動産所得税はかかりませんが、お墓の維持費・管理費は必要です。生前墓の維持費・管理費の相場は、民営・公営によっても差があるものの、年に5,000~2万円前後と考えておきましょう。
維持費や管理費の負担について、納得してくれる人を継承者に指名しておくことも大切です。
お墓の選び方と気をつけたいこと
ここでは、生前墓について、お墓の選び方と注意点を紹介します。後々のトラブルを避けるため、しっかり理解しておきましょう。
誰がそのお墓に入るのかによって選び方が異なる
お墓に入る人によっても、用意すべきお墓が変わります。
たとえば、夫婦だけのお墓にしたい場合は「夫婦墓プラン」、家族でお墓に入りたい場合は「家族墓プラン」などを選ぶケースが多いです。
なかには、夫婦墓に永代供養がセットでついてくるプランを用意している業者もあります。将来的なお墓の継承者問題が心配な方などに人気のようです。
民間墓地 | 全国各地にあり、好みの場所を選びやすい。値段は墓地によってさまざま |
公営墓地 | 民間よりも比較的費用が安い。ただし、空きは少なく抽選になることが多い |
寺院墓地 | 先祖代々からお墓を引き継いでいる人が選ぶ墓地。ほとんどの場合、寺院の檀家が利用する |
予算に合ったお墓を選ぼう
お墓の値段は決して安いとはいえません。墓石の種類やサイズ・デザイン、墓地の広さによっても値段が大きく変わります。
生前墓を用意するときは、業者にあらかじめ予算をはっきりと伝えたうえで、納得いくまで相談することが大切です。
お墓を建てる場所も考える
上述したように、お墓を建てる場所は継承者の近くにするのがベストです。
なお、納骨できる墓地は「民間」「公営」「寺院」の3つに分かれています。 お墓の場所を決める際は、それぞれの特徴と違いについても押さえておきましょう。
終活でお墓を準備する際によくある質問
- お墓を用意する際には何を気を付ければよいですか?
- お墓の継承者や維持費について気を付け、お墓参りがしやすい立地にすることや管理費にも費用が高くないかを確認する必要があります。
- 終活でお墓を用意するメリットはありますでしょうか?
- 相続税の対象から外す事や自分でお墓を決められるといったメリットがあります。