スタッフコラム 葬儀
スタッフコラム vol.05 <26年8月>
皆様 こんにちは。
今回は『ご焼香』についてお話してみたいと思います。
焼香の作法についてはご質問を受けることが多く、葬儀マナー本などにはひと通りのことは書いてあります。「何宗は何本線香を立てる」「何宗は何回お香をつまむ」等々。ただ、背景だとか意味合いだとかは、ほとんどの場合説明されていません。
そこで、少し詳しく書いてあるものを読むと、ご焼香の目的として
「心を落ち着かせる」
「心身を清める」
「御霊前・御仏前において敬虔な心を捧げる」
「仏様のお食事である」
「消臭効果がある」
概ねそのようなことが説明されています
つまり、辞書的に表現すると
「心と身体の穢れを祓い、清浄な心でお参りする際の作法。焼香によって醸し出される香りが「極楽浄土」を思い起こさせ、ご先祖様や亡くなられた方々が仏となり、私たちを見守り続けてくださることを実感する行為。従って仏となった方々を偲びながら焼香することが最高の供養。」
「仏様のお食事」説については、
「亡くなってから成仏するとされる四十九日の間、魂もわずかばかりの食事を摂る。もちろん我々の食事とは異なるが、粗飯ではなく、お香の煙を食する。」
「消臭効果」については、
「仏教発祥の地インドはとても暑く、昔から臭いを和らげる、または香りを楽しむためのものとして焼香の習慣があり、中華大陸を経て仏教とともに伝来。日本は気候も文化も異なるため、日常的にお香を焚くことはあまりないが、仏教のお参りにおいて重要な所作として定着している。」
ちょっと小難しくなりましたが、実際は、消臭というよりも、香りによって心が落ち着き厳粛な気持ちになる、といった効果の方が高いかなと思います。
「亡くなられた方々のため」であると同時に「自分自身のため」にも焼香するわけです。
こうやって整理すると、なるほどと思いますし、ご焼香という行為にとても広がりが出てくるように感じます。(但し宗派によっては、亡くなられた方々に何かを手向けるという考え方はしないこともあります。)
ここまでは、いろんな人達の言葉を引用させていただきましたが、私自身がご焼香について普段感じていることもお伝えしたいと思います。
もちろん慣れ、不慣れがあったり、緊張からぎこちないこともあったりしますが、亡くなった方やご遺族に対し弔意を表す作法として、とても美しい形だと思います。
儀式において、やはり『形』は重要です。
「弔いたい」という気持ちがあっても、基本となる形がないと、その心を表現するのはとても難しいでしょう。逆に形にしっかり沿うからこそ、弔う気持ちの『芯』の部分をきちんと表現できるのだと思います。
ご焼香の作法は、何十年、何百年の積み重ねの中で出来上がったもので、だから、私たちにとって自然で綺麗なのだろうと思います。自然で綺麗なご焼香を行うには、見た目・姿勢などもあるでしょうが、「亡くなられた方々を想いながら、自分自身の心を落ち着かせ、身を浄める」ことを大切にしていれば十分ではないかと思います。
スタッフコラム vol.4 <26年6月>
皆様、こんにちは。
いよいよ梅雨に入り、花のように色とりどりの傘が街中に開いています。
雨の日のお通夜や告別式は大変です。ご遺族の方や参列される方々は、お足元の悪い中お越し頂くことになりますし、私ども葬儀スタッフにしても、お通夜の設営準備や出棺後の片付けの際にどうしても身体が濡れてしまうからです。
ここだけの話ですが、私は周りから雨男と言われております。雨の降る度に、何度となくご葬家様に「あぁ、これは涙雨ですね」とお話ししています。決して私のせいではありません・・・
さて今回は、『湯灌(ゆかん)の儀式』について、少しだけお話をさせて頂きます。
映画「おくりびと」の影響もあり、最近よく耳にされているかと思います。
葬儀に際し、亡くなった方をお風呂に入れる儀式のことを「湯灌」(ゆかん)と言います。昔は、逆さごとの風習のひとつである「逆さ水」(日常生活とは逆に、水にお湯を足しながら湯温を調節したもの)を作り、ご家族の手で湯灌をされていました。
現在、首都圏での湯灌は自分達ですることはほとんどなく、ご家族皆様の立ち会いのもと湯灌専門業者(納棺師)によって行われています。また、病院で亡くなった時の看護師の手による簡易な清拭(せいしき)は「エンジェル・ケア」と言われていて、湯灌とは異なります。
『湯灌の儀式』は、入院生活などでゆっくりお風呂に入れなかった方や、温泉が好きだった方のご遺族に大変喜ばれております。ご希望があれば、ご家族の手で故人様の髪を洗ったり、お化粧をしてあげることもできます。
あ! 女性の方の場合でもお身体の上に大きめのタオルを掛けて行いますので、お肌が見えてしまうことはありません。どうぞご安心下さい。
生まれたとき産湯につかったように、来世へと生まれ変わるために現世での垢を落とす、旅立ちの儀式として行う意味もあるようです。
人生の始まりと終わりにお風呂に入る・・・お風呂好きの、とっても日本人らしい風習だと思います。1日の終わりにお風呂に入って疲れを癒した時の、サッパリとした爽快感!亡くなった人であっても、それは同じじゃないかと私は思います。
湯灌が終わった後にビールをお供えする方もいらっしゃいます。
「やっぱり風呂上がりのビールは最高♪」そんな声が聞こえてくるようですね。
一生という長い仕事を終えて来世へと旅立つのだから、最後にゆっくりとお風呂に入れてあげる。「本当に今までお疲れ様でした・・・」 そんな思いを込めて行うのが『湯灌の儀式』なのです。
これからも悔いのないご葬儀が行えるように少しでもお手伝いをさせて頂ければと思います。私は、今日も雨に濡れてしまったので、早く家に帰ってお風呂に入ることにします。
スタッフコラム vol.3 <26年4月>
皆様 こんにちは。
寒からず暑からずの過ごしやすい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
私は鳳友産業グループの葬儀部門「鳳友葬祭」で、葬儀担当者として忙しさに追われる毎日を過ごしておりますが、そんな日々でも葬儀という仕事にとてもやりがいを感じて頑張っております。
今回で第3回目となるスタッフコラムは、「直葬」(火葬のみのお葬式)について、私なりにお話しをさせて頂きたいと思います。
皆様は「直葬」という言葉をご存じでしょうか?
最近では、テレビや雑誌などでも大きく取り上げられているので、聞いたことがある方も多いかとは思いますが、「直葬」とは「お通夜・告別式を行わず、亡くなられた場所から火葬場へ直接向かう」という意味です。これは昔から、地方自治体が中心となり、身寄りのない方などが亡くなった場合に行ってきたお別れの儀式です。
しかし最近では、葬儀について否定的な考えを持つ方が多くなり、「葬儀に費用を掛けたくない」「故人の遺志だから・・・」「家族だけだから・・・」など(例をあげればきりがないくらいです)といったご意見を頂くことが増えてきたのが現状です。
確かに、「直葬」を選択されたお客様のなかには、「短い時間だったけど、お別れが出来て良かった」「静かに見送ることが出来た」とご満足いただけることもあります。
しかし、時間や費用の節約は、祈りや供養の時間の短縮につながるわけで、「こんなにあっけないの?」「ゆっくりお別れがしたかった」「おじいちゃん(おばあちゃん)喜んでくれたかなあ?」など、終わったあとで、逆に釈然としない気持ちが残る方が多く見受けられます。私自身葬儀担当者として、打ち合わせのときにご家族の真のお気持ちを掘り起こせなかったか、と悔やまれることもあります。
お葬式は、皆様にとって大切なご家族の、一生に一度しかない最後のセレモニーです。私は決して「直葬」を否定している訳ではありませんが、故人様だけでなく、送る側も悔いが残らないようにするためにも、ご家族でじっくり話し合われることも必要ではないでしょうか。
スタッフコラム vol.2 <26年3月>
皆様、こんにちは。
私は葬儀担当者として様々なお客様の葬儀を担当し、葬儀の形・商品が、一昔前に比べ随分変わってきたと思っています。
今回は、中でも大きく変化している「遺影写真」についてお話しします。
もし今ご葬儀の相談中だとして、「遺影写真はどうしますか?」と聞かれたら、どういう物を想像しますか?
きっと、よく仏壇近くに飾られているような「白黒」の写真で、黒い額縁、合成で貼り付けたような黒い喪服で、表情も難しい顔をした「いかにも」といったものをイメージされるのではありませんか?
「遺影写真」は今、変わってきています。
まず、カラーの明るいお写真、そして笑顔のお写真を選ぶ方が多く、かしこまった服でなく普段着で、家族が一番見慣れている姿のお写真を選ぶ方が多いです。
そして、自然な感じのお写真に合うよう、昔ながらの黒額より、ピンクやグリーンなどの明るいカラーの額が人気です。
背景もデジタル化によって、好みの背景をきれいに合成することができるようになったので、最近は故人様の「趣味」を取り入れる方も増えました。
登山が好きだったから「山」、海が好きだったから「海」、ゴルフが趣味だったから「ゴルフ場」。「その方らしい、その方が喜びそうな背景」をお選びになっているのですね。
このような要望を取り入れ、仕上げられた遺影を見たご遺族には何故か「笑顔」が見られます(きっと故人様をお偲び頂いての笑顔ではないでしょうか・・・)。
また、お写真や背景、洋服をお選びになっている時、悲しい葬儀の時間の中にも何故か「笑顔」が見られます。
遺影は、残された方々がお葬式の後もご覧になり、手を合わせるお写真です。ご家族には、「遺影写真」が故人様のイメージとして残っていくのです。どうぞ、ご家族がご覧になった時、悲しくならず、笑顔になれるお写真をお選び下さい。
また、亡くなる前に「自分が元気なうちに」と「遺影写真」を撮っておく方もいらっしゃいますし、女性の方は、若かりし頃の写真を自分の遺影に使ってと希望される場合もあります。自分が亡くなった時の「遺影写真」を決めておくなんて一昔前では考えられなかった事かもしれませんが、家族に一番見続けてもらいたい姿を残すのだと捉えれば、とてもよいことだと思います。
スタッフコラム vol.1 <26年1月>
はじめまして。この度、葬儀部門もスタッフコラムという形で、情報を発信させて頂くこととなりました。どうぞよろしくお願い致します。
初回は、「私の体験から得た、葬儀の事前相談の必要性について」です。
私は数年前に母を亡くしております。まだ私が葬儀の仕事に携わる前のことであり、また、喪主を務めた父も葬儀に関しては全く無知でした。
母が亡くなった瞬間どうして良いかわからず、病院から紹介された葬儀社さんに全てを「お任せ」してしまい、「この後は、こうなります。こうして下さい。」「これは、○○円掛かります。」「これは必要です。」と淡々と打合せは進み、私達は「はい、わかりました。お願いします。」と答えるだけでした。
そして葬儀が終わると、葬儀内容には満足したものの、何百万円という請求があり、その金額に驚き、葬儀というものはそこまで費用が掛かるものなのか?という疑問が残りました。
その後、「葬儀」についてもっと知りたくなり葬儀社に入社をしたわけですが、葬儀担当者として感じたのは、以前の私と同じように、葬儀社にお任せしてしまうお客様が多いということと「葬儀ってこんなに費用が掛かるものなのか?」とおっしゃるお客様が多いことでした。
私がお伝えしたいのは、葬儀というものは、突然起こり、数日の間にたくさんの内容の打合せをして、何百万円という費用が掛かるものだということ。
大切な人を亡くした悲しみ、落胆は、計り知れないものであり、平常心ではいられないはずです。そういった状況の中でよくわからないまま葬儀を進めていくのは、精神的に非常に大きな負担となってしまいます。
「もしもの時は、どういう流れで、どういう選択ができるのか?」
「いくら位掛かるのか? 費用をもっと減らせないのか?」
「もしもの時に備えて、準備しておく事は?」
「家の宗派は?」
「どこの式場を利用できるのか?」
などを把握しておくだけでも、慌てずに済みますし、後悔やトラブルを回避する事にも繋がります。
以前は「生前に葬儀の話をするのは縁起が悪い」とよく言われていました。
しかし、生前に葬儀の相談をおこなう方が非常に増え、「葬儀セミナー」と題し、説明会が開催されることも多くなりました。また、書店では「エンディングノート」なるものが売られ、マスメディアでもさかんに取り上げられています。エンディングノートは、自分が亡くなったら「誰を呼んでほしい」「こういう音楽を掛けてほしい」「ここの式場で行ってほしい」など「自分の希望の葬儀」を書き留めて、残される方に引き継ぎ、その内容に基づき葬儀を執り行うというものです。
このように以前とは、葬儀に対する考え方が変わってきております。
ですから、お気持ちに余裕のあるうちに生前のご相談を、ぜひお勧めしたいのです。
鳳友葬祭でも、霊園のお客様を対象に葬儀セミナーを何度か開催し、ご参加いただいた方にエンディングノートをお配りしています。
(参加費は、無料です。開催日時は、当ホームページにてお伝え致します。)
鳳友産業グループ関連霊園をお持ちでない方も、近隣で開催される時は、ぜひご参加下さい。また、「セミナーの参加までは・・・」という方は、霊園やご自宅で相談を承る事もできます。事前相談のための資料も準備しておりますので、資料請求だけでもお気軽にお問い合わせください。
ご相談頂き、大切な方もしくはご自身の葬儀において何も後悔や心残りのない、心からのお見送り、お別れができることが私の願いです。
その為に私達は全力でお手伝いをさせて頂きます。