お墓の値段は、永代使用料(墓地の土地代金)、墓石代金(工事代、彫刻料なども含めて)、管理費の合計からなっています。
それぞれの考慮すべきポイントをみてみましょう。
永代使用料の決まり方
永代使用料とは永代使用権(墓地を建立する区画を永代にわたり使用する権利)を取得するための費用です。主に霊園の造成にかかった費用を霊園の使用者(お墓を求めた方)で公平に負担するために、申し込み区画の面積に応じて金額が異なります。
永代使用料の決まり方の主なものは以下の通りですが、高い霊園にはそれなりの理由があります。
◆考慮すべきポイント
- ① 開発予定地の購入費用(不動産価格)
- ② 駐車場や会館など施設が占める面積
- ③ 緑地面積・植樹の本数
- ④ 参道の幅・本数
- ⑤ 地盤改良や排水工事などの造成工事の質
高い |
高い |
【開発予定地の購入費用(不動産価値)】 |
安い |
安い |
住宅と同じように霊園の場所によって土地の価格は異なります。
郊外は比較的安く、都心や交通アクセスが良いところほど、永代使用料は高くなります。 |
広い
多い |
【駐車場や会館などの施設が占める面積】
【緑地面積・植樹の本数】
【参道の幅・本数】 |
狭い
少ない |
駐車場や会館が完備されている、緑地を多くとっている、といった霊園は、墓地の面積や区画数が減るため、永代使用料は高くなる傾向にあります。
購入時の負担が大きくなるように感じますが、お墓は代々受け継いでいくものです。幅の広い参道があれば、車いすやベビーカーでもお参りし易いでしょうし、駐車場が広ければ混み合うお盆・お彼岸時期も待たずにお参りができます。
「将来も安心して快適にお参りできる環境や設備が整っているか。」で判断するのがよいでしょう。 |
しっかり施工 |
【地盤改良工事】
【排水工事】 |
簡易な施工 |
しっかりと地盤改良工事や排水工事を行っている霊園では、工事費用が永代使用料に含まれるため、価格が上がります。
価格は上がってしまいますが、地震大国の日本において、「地盤沈下や地震に強いお墓」であることは、大きな安心感を得られるでしょう。 |
管理費の決まり方
管理費は主に霊園の共有部分を維持するために使われます。霊園が完売した後はこの管理費で霊園が運営されるためとても重要なものです。ただ管理費が高いと敬遠せずに、その使われ方をしっかり確認しましょう。
◆考慮すべきポイント
- ① 霊園管理に携わる人数(人件費)
- ② 会館設備のなどの規模(維持費・光熱費)
- ③ 送迎バスなどのサービス
- ④ 植栽・参道などのメンテナンスの頻度
十分な管理費収入がないと、霊園の管理が行き届かず霊園が荒れてしまうことにもなりかねませんので、注意が必要です。
高い |
手間をかけている |
【会館の維持管理】 |
手間をかけない |
安い |
管理費は、お客様が利用する会館やトイレ、駐車場などの共有スペースの管理・維持に使われています。また、霊園の運営にかかる電気代・水道代・備品代も管理費から充当されています。 |
手間をかけている |
【植木・参道のメンテナンス】 |
手間をかけていない |
定期的に参道のメンテナンスを行ったり、お花の植え替えをしている霊園は、園内整備に手間をかけているため管理費が高くなる傾向にあります。
例えば、参道がきちんと整備されている場合、水たまりが出来にくかったり、段差でつまずいたりする危険が減るため、将来に亘って安心してお参りいただけます。 |
多い |
【霊園管理に携わる人数】 |
少ない |
日ごろからお掃除が行き届き、植栽がきちんと手入れされている霊園はお参りしていて気持ちの良いことでしょう。霊園の管理に携わるスタッフの人件費もまた、管理費から充当されています。 |
ある |
【送迎バスなどのサービス】 |
ない |
送迎バスを運行するにあたってのガソリン代・運転手の人件費などの費用は、管理費から支払われています。
現時点で車の運転ができていたとしても、将来運転できなくなる日が来るかもしれません。送迎バスがあると、免許を返納しても気にせず安心してお参りいただけます。 |
墓石価格の決まり方
墓石価格には墓石を建立する場所の基礎工事や外柵・石碑の石材の材料費と彫刻料、据え付け工事費、付属品などの設置費用が含まれます。
- ① 基礎の造り 強固⇔簡易的
- ② 石碑のボリューム(石の量) 多い⇔少ない
- ③ デザイン性 高い⇔一般的な形
- ④ 石の産地 国内⇔海外
- ⑤ 石種 希少価値のある石種⇔普及している石種
- ⑥ 磨きやカットなどの加工 多い⇔少ない
- ⑦ 墓誌や塔婆立てなどの価格 含まれている⇔含まれていない
- ⑧ 文字彫刻の費用 含まれている⇔含まれていない
- ⑨ 色や石目の合わせ 厳しく行っている⇔行っていない
高い |
強固 |
【基礎の造り方】 |
簡易 |
安い |
建物と同様にお墓も地震に備えておく必要があります。しっかりと基礎工事を行っている霊園は、不等沈下や地震への備えも安心といえます。 |
多い |
【石の使用量】 |
少ない |
石の使用量はお墓の広さ(平米)によって決まります。石のボリュームが多くなれば、比例して、墓石の値段も高くなります。 |
高い |
【デザイン性】 |
低い |
お墓のデザインは以下の3種類に分けられます。
①縦に長い昔ながらの「和型墓石」
②背が低く横に長い欧風の「洋型墓石」
③デザインを自分で選べる「オリジナル墓石」一般的にはどのタイプも加工の多いものほど高くなります。特にオリジナルデザインは想いを表すために凝った加工になるので値段も高くなる、というわけです。 |
国内産 |
【石の産地】 |
外国産 |
墓石となる御影石のほとんどが輸入材となっているのが現状です。外国産は、採石量が多く、人件費も安いため安価で提供できます。一方、国内産の石は希少で、人気も高い為外国産のものと比較すると高価になります。 |
高い |
【石の品質・希少価値・人気度】 |
少ない |
石の品質を決める主な基準として、吸水率・圧縮強度、水に対する比重があげられます。同じ石種でも「目の細かさ」や「色味」によって等級分けされる石種もあり、価格差が生じます。
また、色や外見が美しい石は人気が高く、値段が上がる場合があります。 |
含まれる |
【墓誌・塔婆立・文字彫刻の費用】 |
含まれない |
墓石のお見積りの際に、値段だけ見て決めるのは考えものです。文字彫刻の費用は含まれているか、墓誌や塔婆立など石碑以外の部材が含まれての値段なのか。事前によく確認することが大切です。
石は自然の産物なので同じ場所で採れても見た目が違う場合もあります。その際、石の色や石目を厳しく合わせているかも価格を左右します。 |