定年退職・還暦を迎え、徐々に気になりだす「お墓」のこと。
一口にお墓と言っても、室内の納骨堂や撒骨タイプの永代供養墓や、いわゆる樹木葬など様々な形態があります。
お墓を建てるのに必要な総額はこれらのタイプによって様々です。
ここでは一般的な屋外の公営墓地、霊園の価格・相場についてご案内します。
お墓の価格・お墓の相場
公営墓地・霊園の場合、大体150万円~250万円が、お墓(永代使用料+墓石価格)の相場です。
地域によっても大きく異なりますが、全国平均が200万円強。
東日本も同じく200万円強で、西日本の平均は200万円弱という結果が出ています。
その中でも更に細分化すると、首都圏は大体230万円~250万円。
西日本でも高いところでは福岡県で250.36万円です。
参考までに、鳳友産業グループで取り扱いの多い「横浜市」と「東京都多摩エリア」では、横浜市平均が270万円強、多摩エリアの平均は230万円強が多くなっています。
横浜市・多摩エリアの墓地購入価格(自社調べ)
公表されている「都道府県別」の墓地購入費用と比較すると、横浜市は神奈川県の平均より高く、多摩エリアは東京都の平均より低くなっています。
「都道府県別」の平均は、都市部、農村部、山岳部全てを含めた平均値になっているため、都市部の横浜市は高く、郊外の多摩エリアは低くなっているのです。
お墓を建立する時にかかる費用と考慮すべきこと
以下は、一般的なお墓を建立する時に考えるべき費用です。
- (1)永代使用料(お墓の土地代)
- (2)墓石代(外柵と石碑、付属品、彫刻、工事代金)
- (3)石材店指定の有無
- (4)石の種類
- (5)石の使用量・広さ
- (6)管理費
このうち、永代使用料=土地代は不動産と同じように、近辺の地価や開発造成費用、立地条件に影響され、地域差が大きく出ます。
複数の霊園を検討する場合には、単純に区画の永代使用料のみを比較するのではなく、1平米あたりの価格に換算して考えるといいでしょう。
(1)永代使用料
お墓は、未来永劫に亘って受け継がれていくべき大切な財産です。
このため、地方自治体や財団法人、宗教法人が営利目的ではなく運営していくよう定められており、いわゆる宗旨宗派不問の墓地は、各地方自治体が審査の上許可したもののみが募集を許されています。
「お墓を買う」とよくいいますが、実は、経営主体である宗教法人(すなわちお寺)や地方自治体(都府県や市など)から永代に亘る使用権を得ると考えるのが正しいといえます。
永代使用料を支払ったお墓は、継承する人がいる限りその家族のお墓として存続しますが、継承者がいなくなったり、管理費を滞納したりすると返還しなければならない場合もあります。
未来の子孫が困らないよう、墓地を契約する際には使用規則をよく読んでおきましょう。
(2)墓石代
墓石代には、「外柵」といわれる土台の部分(骨壺を納めるカロートや卒塔婆立てはここに含まれます)と「石碑」(棹石・水鉢・香炉など)、お参りに必要な「付属品」(花筒や線香皿)、墓石に施す「彫刻」と「墓石工事代金」が含まれます。
彫刻料には、家名や建立者名、戒名彫刻などの基本彫刻と好きなお花や言葉を刻むデザイン彫刻があり、石材店によって基本彫刻料に含まれる項目や価格が違います。
オプション加工を追加したりオリジナルデザインを施すと墓石代は変わります
また、永代使用料には消費税はかかりませんが、墓石には消費税が必要です。
(3)石材店指定の有無
お墓を建てる費用、墓石の価格を左右するポイントのひとつに、「石材店が指定されているかどうか」があります。
なぜなら、石材店が指定されている場合は、自分で選んだ複数の石材店で自由に比較検討することが難しいからです。
一般的に公営霊園は石材店の指定がなく、石材店を自由に選べます。
また反対に、民営霊園ではほとんどの場合、石材店を指定しています。
寺院墓地は指定がある場合とない場合があるため、まったく同じ大きさ・デザイン・石の種類でお墓を建てる場合を考えると、自由に比較検討ができる公営霊園が、墓石の価格がお安くなる傾向にあります。
(4)石の種類
お墓に使用される石は、国産のもので50種類以上、外国産のもので100種類以上になります。
神奈川県産の本小松石、愛媛県産の大島石、茨城県産の真壁石、佐賀県産の天山石など、全国各地で墓石に使われる石が採掘されています。
有名なもので言えば、香川県産の庵治石はもっとも高価な石として世界的にも有名です。
また、同じ石でも等級がわかれていることもあるため、同じ名称の石だからといって必ずしも同じ値段になるとは限りません。
(5)石の使用量・広さ
当然ながら、石の使用量・広さによってもお墓の価格は変わってきます。
石の使用量が多い、大きなお墓・豪華なお墓になればなるほど、価格は高騰します。
芝台のある立派なお墓を建てたいけど価格は抑えたい、といった場合は使用する石の種類を検討すればいいですし、質のいい石を使用したお墓を建てたいといった場合は、その分お墓をシンプルにすれば価格を抑えることがで可能です。
(6)管理費
管理費は、霊園・墓地の共有部分や会館の維持管理のために使われます。
永代使用料は墓地契約時に、墓石代は墓地完成時に支払いますが、管理費は墓地を契約した時点から支払いが始まり、墓地を使用している間はずっと支払い続けるものです。
金額は、1年単位に決められている場合が殆どですが、支払いは、1年毎、2年毎、またある程度の年数分まとめて、など霊園によって異なります。墓地の名義を変更したり、継承者が変わったりした際には、連絡先の変更や管理費の支払い方法の確認を行っておきましょう。
霊園を選ぶ際の永代使用料・墓石代・管理費についての考え方は、「霊園の選び方」ページで詳しく説明していますので、合わせてご覧ください。
お墓選びの注意点
お墓の価格は、お墓選びの重要なポイントです。
そんなお墓の見積もりをする際に、意識していただきたいポイントがあります。
それは、墓石の価格だけでお墓選びをしないようにする、という点です。
墓石の価格だけでお墓選びをすると、
・お店が倒産して連絡がつかなくなる
・アフターフォローが雑
といったトラブルに繋がりかねません。
お墓を建ててから何年経っても、安心して色々なことを相談できる石材店を選ぶことが重要です。