霊園で故人への思いを大切にできるお墓づくりを
霊園か寺院か、お墓の建立について
人が亡くなったらお墓に入るということは、日本では当たり前のように古き時代から行われてきました。一般的には、大切な方がお亡くなりになって悲しみが癒える間もなく葬儀があり、形見分けして四十九日になる頃には少しだけ悲しみが癒えてきて、お骨をお墓に入れることも考える事ができるようになっていきます。そう言ったことから地域的な違いなどもありますが、四十九日に納骨するというご家庭が多いです。ただ、お墓がない場合やお寺や霊園等お墓を建立する場所が決まっていない場合には、特に四十九日までに納骨しなければならない等の決まりはないので、一周忌あたりまでに考えればいいでのはないかという考え方もあります。
お墓をまだ建立していないという場合、どこにお墓を建立するのかという事をまず決めなくてはなりません。現代はお寺の他、霊園などに建立を考える方も非常に多くなっています。お寺については昔ほど厳しくないものの、お寺にお墓を建立される場合、そのお寺の檀家になるのが絶対条件という所も未だ多く、だったら霊園を利用する方がいいとお寺以外を選択される方も多くなっています。檀家になるという事は、お寺にお墓を建立する御坊様に法要をしていただくことだけではなく、寄付や修繕費などを収める事も必要で、寺院の運営をお寺と一緒に支える支援者になるという意味があります。そうなると何かと入用になったり、しきたりに沿って行事が必要になるなど現代にはそぐわない事も多いという意見もあります。
すでに田舎に菩提寺があり、お墓を建立されるお寺が決まっているという場合は、じっくり考えるべきです。何かの法要の際には、田舎に帰って田舎のしきたりに沿って色々な行事をこなす必要が出てきます。核家族が進む現代ですから、なかなか実家に帰省できないという事も多くあると思いますので、近くの霊園でお墓を建立されるという事を考慮されてもいいのではないでしょうか。そして、お墓を建立される前に知っておくべき事をしっかりと調べましょう。特に寺院墓地との違いやメリットやデメリットなども理解し、納得の建立をされるためにはよく調べて家族と話し合うことは欠かせません。
寺院墓地との違いは?
古くから田舎のお寺が菩提寺となっているという場合、自分がそこに入るかどうかを考える必要があります。通常、菩提寺にお墓があればそこに入りますが、田舎の実家と今現在ご家族と暮らしている地域がかなり遠いという場合、お参りに行くのにも法要を開くにしても非常に大変です。そのため、自分たちが入る墓地に関しては、今暮らしている地域の霊園などを考えるという人も少なくありません。
霊園というのは民営と公営があり、民営の場合は宗教法人や公益法人が運営しています。公営の場合は都道府県や市区町村などが運営母体です。宗教法人等によって法事の仕方などに取り決め合がある、宗派宗旨が同じでないと困るという所もありますが、一般的にどなたでも利用できる所が多いです。寺院の場合、法事の際に法要のしきたりがあり御坊様が読経に来られるなど、やり方が決まっていることも多いのですが、読経について依頼する事も法事の場所についても基本的に霊園は自由です。運営する宗教法人等によっては、送迎バスなどの利用ができたり、法事を執り行う施設が充実している、売店など品数が多く非常にサービスが行き届いているという所も多数存在しています。寺院と比較すると利用しやすい、費用が掛かりにくい、また墓石などがデザインが自由にできる施設も多いという利点がありますが、逆に永代使用料や管理費など公営、民営で格差があるという事や、公営の場合は募集多数で抽選を行う事も多くなるなどのデメリットもあります。ただ、寺院と比較すると比較的自由な事が多く、しきたりに縛られないご家族の意思、お亡くなりになった方の意思を通しやすいというのもメリットです。
お墓の建立は自由度の高い施設がいいという方へ
最近はデザイン墓石等、お亡くなりになった方の生前を忍ばせる墓石デザインで個性的なお墓を建立される方も多くなっています。通常、日本のお墓である和式デザインと呼ばれるお墓は、長方形で苗字が漢字で掘られているという、昔からお寺などでよく見るデザインです。しかし高さが低く横に広がりのある様式の墓石や、音楽好きだった故人を偲ぶピアノのような形をした墓石、お酒が好きだった方には墓石の横に酒瓶があるなど、一目見てその方のお墓だとわかるような墓石も多くなっています。自由な発想の墓石デザイン、故人が生きている時にこうだったとすぐに思い出す事のできるデザインの墓石が多くなったことで、民営の霊園などではデザイン墓石など自由に建立できるサービスも展開しています。
広いお庭のようになっている美しいガーデン風の施設もありますし、高台にあり街を見下ろす事のできる場所に桜の木等季節に応じて花々を楽しめる明るい施設もあります。ご家族の中には菩提寺があっても、お亡くなりになったご家族の楽しく明るい人生をそのままに太陽の光が照らし、季節を感じる事のできる施設を選択したいというご家族も非常に多いのです。
公営にしても民営にしても霊園は施設にもよりますが、色々な事が自由であるという魅力があります。近しい人の死は悲しく、悲しみから立ち上がる事もできないと考える方がほとんどですが、納得できるお墓を建立されることで、故人にいつでも話に行ける場所ができれば、気持ちも自然と落ち着いてくるものです。大切なご家族、近しい人たちが永遠に眠る場所がお墓です。故人もご家族も、お墓を建立される方々が常に通う事のできる美しい場所を選びましょう。