後悔することのない墓石の選び方
墓石を選ぶときのポイントとして
ものを購入するというに際しては、本当にそれでいいのか納得してから購入することが多いでしょう。ところが、墓石ともなると、簡単に理解することができないため、本当にそれでよかったのか考えることも出てきます。実際に代々に受け継がれていくものになるため、しっかりとしたものを選ぶ必要があるでしょう。ところが、石となると、いったいどんなものを選んでいいのかわからなくなってしまうものです。良い石を選びたくても、簡単にはいかないことが大半となってしまいます。
墓石ということでは、国産ということを考えがちです。実際に日本ではいい石が算出されていますが、海外がこれよりも劣るというわけではありません。リーズナブルなものが多いことは間違いなく、減少が続く国産に比べると手に入れやすいものがそろっています。ですが、切り出す方法など非常に丁寧におこなう国産に比べると、粗いものが多いことは確かです。質ということでは高くても、出来上がりの悪いものがあるため、国産を選ぶという人が多くなるのも確かなことといえます。国産のものを使うほうが、日本の風土にあっていることから使い続けやすいということも言われますが、そこまで考える必要はあるとは言えません。その後の加工によっても変更するからです。
石材ということでは、必ず硬さがあります。大切な条件ですが、一般的にわかりにくいところです。耐久性にもかかわってきますが、単純に風化や劣化に強いと考えることができるため、硬い石を選ぶ傾向があります。強度ということでは、現在は圧縮強度としてN/cm2であらわされますが、基準としては600N/cm2というところになるでしょう。これを超えることができれば、単純に硬い石ということがいえます。強度は見てもわかりにくい部分ですので、数値を参考にするといいでしょう。
選び方として重要な吸水率と凍結時の問題
墓石の選び方として、よく言われるのが吸水率といわれる性質です。なぜ、この吸水率ということが重要になるかというと、墓石は外にあるものだからです。室内と違い、年月とともに水分を吸収していってしまうのが、外に置かれる石の問題です。石材は、どんなものでも無数の孔が開いており、水を吸収してしまいます。この気泡が少なくなると密度が高まり強度も上がっていきますが、ゼロのものは存在しないために、少量でも水を吸収することになるでしょう。そのため、雨が降るなどすれば水分が吸収され、表面が乾けばその水分は放出されます。水を長く保持してしまうものでは、苔が生えたりすることになりますし、カビも出る可能性が高まるのは、ここから想像がつくことです。そうなると、できるだけ低い方がきれいな状態を保つことができるということになります。
もうひとつ、水分には気泡が含まれているという状況と気温の関係を考えなければいけません。この状態のまま凍ってしまうと、膨張してしまうことになります。膨張するということは、そのまま外に力を発することになるため、自然とその力で割れてしまうようなことが出てきます。多くの水分を吸収している場合には、この力に耐えることができずに割れてしまうことがあることからも、吸水率は低い方が良いということになるのは必然といえます。実際に御影石が好まれているのも、こうした力に強いからです。どれぐらいが目安になるかといえば、5%未満であれば安全であると考えることができます。
きめの細かさと色
墓石ですので、見た目ということも選び方として考慮していかなければいけないポイントです。見た目に美しいものにしたいと思うのは当然のことでしょう。美しいということにもいろいろとありますが、きめの細かさということが重要です。きめが細かいということは、それだけ密度が高いということでもあります。つまり、吸水率が低い石材ほど、きめの細かい姿を作り出すことが可能です。国産の石が好まれる理由のひとつとして、こうしたきめの細かさがあることは確かです。最高級石材として知られている小松石などは有名ですが、非常にきめ細やかで美しい石としてもよく知られています。
同じように色も大切な要素です。スタンダードな黒や灰色が中心ではありますが、カラフルなものも出てきました。これは着色というわけではなく、さまざまな石が墓石として使われるようになったからです。故人をイメージする色が使われることもあり、女性ではピンクなど柔らかいものが好まれてきました。色と材質は常に関係してくるものですので、単純に色だけで考えるのではなく、質や特性といったことも併せて考えていく必要があるでしょう。
墓石は風雨にさらされます。経年劣化していくことになりますので、徐々にツヤがなくなり色が変わってくる可能性もあることも覚えておくべき部分です。濡れても色が変化しますので、どんな変化をするのかも知っておくことが必要といえます。特に目の細かいものほど濃くなりやすく目立つことになり、かなり暗いイメージになることもありますので、サンプルなどで確かめることも必要です。