墓地の価格を大きく変動させる要因は
墓を購入する場合
だれか家族がなくなった場合、お墓に埋葬することになるでしょう。事前に一族の墓があれば、あまり問題にはなりません。ですが、新たに自分たちの墓を建てようと思うと、なかなか簡単に進めることができなくなるでしょう。
実際に霊園や墓地でお墓を建立する場合には、さまざまな費用が掛かってきます。ところが、その費用はあまりわかりやすいものとは言えません。価格にも幅があり、いったい何が適正なのか見にくかったりするでしょう。ほとんどの場合、墓石の費用や工事費用がかかりますが、他にも使用料も発生します。土地自体は購入すると呼ぶこともありますが、実際には自分の土地になるわけではありません。永代使用料を払い、使用する権利を得るというかたちです。土地の使用料である永代使用料ですので、土地を借りるという言葉が最も近いでしょう。
料金は、基本的に一括支払いです。もちろん借りものですので、自分以外の第三者に対して転売をすることはできません。この辺りが、墓地の価格をわかりにくくしている要因ともいえるでしょう。
墓地の価格で重要な立地条件
墓地の価格の相場を見ていくと、立地によって大きく異なることがわかります。永代使用料というかたちでも、宅地と考え方は変わりません。駅や市街地に近い立地は、利便性が高いでしょう。お墓参りに来るとしても、便利なことは確かです。こうした墓地の価格は、必ず上昇します。周辺の環境を見てみることも必要です。休憩するところがあったり、花屋や墓石店があり、周辺にいろいろとあるような場所は、利便性が高いということで高めになってくるでしょう。この辺りも、住宅を借りるときと考え方は同じような点であるといえます。
立地条件ということで見てみると、都内の霊園の高さがわかるでしょう。自動車一台分と変わらないぐらいの費用が請求されている場所もあります。もっと高級なところとなると、地方で家一軒建てられるぐらいになる場合さえ出てくるのですから、簡単に手を出すことができません。ところが、東京近郊となると、同じような条件で見てみても永代使用料は1/4以下になることも出てきます。それぐらい立地条件ということが大きな要因になるといえるでしょう。
価格を左右する要因としては、共有スペースなどもあります。清掃に関してかかる費用なども請求されることがありますし、維持管理費としてまとめられているところもあり、運営形態などによって大きな差が出てくる部分です。こうした費用に関しても、都内よりは近郊のほうが安くなる傾向があります。かかる人件費の問題もありかなりの差がつくことになりますので、少し離れた場所と比べる場合には相場の基準が異なる点に注意が必要です。
実際に墓地を購入する場合にかかる費用
実際に購入する場合の費用を見てみると、いろいろとありますが3つの要因に分けることができます。
1つ目は、墓石自体の費用です。購入費用から工事費用までかかりますが、単純に墓石代として考えることができるでしょう。墓石一式として考えるため、外柵も含まれます。自分で石材店を選ぶ場合もありますが、墓地が指定しているところしか使えないことも出てきますので、事前に注意が必要です。基本的に指定石材店があるほうが、競争の原理が働かないため高額になる傾向があります。ただし、隣接している場合が多く、利便性の高さも考えて選択するべきでしょう。
2つ目は、墓地の使用料です。永代使用料ですが、あくまでもお墓を建立する土地を使用する権利までになります。支払先は、墓地の所有者になりますが、一度支払うことで期限を設定することなく使用できるのが一般的です。
3つ目が、霊園の維持管理費です。霊園の清掃や施設の維持管理にかかる費用であり、補修や修理にも使われます。個人の墓石に使われることはありませんが、共有設備やスペースなどを維持するために必要ということで請求される費用です。きれいな墓地を利用したいということでは、とても重要な意味を持つといえるでしょう。
永代使用料を見てみると、基本は1㎡あたりの価格設定です。地域によっても異なりますが、周辺の地価によって左右されると考えていいでしょう。維持管理費は、墓地の大きさや広さ、設備の充実度合いによって変わります。利便性の高い墓地は高い傾向になりますが、年間で数千円から一万円程度ですので、そこまで大きな費用とはならないでしょう。
民営霊園は、自由度ということでは最も優れており、デザインや広さも相談で決めることができる場合があります。無宗教でも利用できることも多く、メリットが大きい反面費用が高くなっているといえるでしょう。民間経営ですので管理も行き届いており、利便性の高さではNo.1であることは間違いありません。
墓地には、それぞれメリットもあればデメリットもあります。価格的問題も含め自分たちにあっているところを選ぶべきでしょう。長年維持していかなければいけないのですから、下手に背伸びをしても失敗のもとになるからです。