樹木葬でよくあるトラブル5選! 後悔しないための対策方法についても解説

近年、新たなお墓の形式として注目が集まっているのが樹木葬です。後継者を必要としない永代供養であること、自然志向であることなど、さまざまな魅力があります。一方でいくつかのデメリットもあり、思わぬトラブルを招くこともあります。

本記事では、樹木葬によくあるトラブル事例と、後悔しないために実施したい対策法について解説します。

樹木葬でよくあるトラブル事例5選

樹木葬でよくあるトラブルを5つご紹介します。

1. アクセスが悪く、参拝がおっくうに

樹木葬の霊園は、その性質上、自然が多く残る場所にあるケースがほとんどです。その分、都心や街から離れていることも多く、お墓まで行くのに手間や時間がかかる場合があります。

特に人里離れた山林に埋葬する里山型の樹木葬は、都心からのアクセスが悪く、参拝に行くことがおっくうになってしまいかねません。

里山型は霊園ほどには管理が徹底されていないことが多いため、参拝の足が遠のいてしまった場合、お墓が荒れ果ててしまう可能性があります。

2. 思った以上に費用が高くなった

樹木葬は一般的なお墓に比べて費用がリーズナブルと言われています。しかし、それは複数の遺骨をまとめて埋葬する合祀墓と呼ばれるタイプの話で、一家族に一本の木をシンボルとする個別墓の場合、むしろ費用が割高になることがあります。

また年間の維持管理費が必要になる霊園もあり、埋葬費と合わせたら予算をオーバーしてしまう場合も少なくないようです。

3. 納骨場所が分からなくなった

一般的なお墓の場合、竿石や墓誌に家名や埋葬されている方の名前などを彫るので、一目で納骨された場所が分かります。

一方、合祀墓の樹木葬は一本のシンボルツリーの周辺に複数の遺骨を埋葬するため、正確な納骨場所を把握できません。

「眠る故人に向かってきちんと手を合わせたい」という方が合祀墓の樹木葬を選ぶと、後悔するケースが多いようです。

4. お花やお供えもの、線香をあげられない

一般的なお墓では参拝の際、お花やお供えものをあげたり、線香を焚いたりする風習があります。ところが、樹木葬では火災のリスクを考慮し、線香をあげるのは禁止されているケースがほとんどです。

お供えものも、小動物や虫を招く原因になることからNGになっている場合が多く、一般的なお墓とは参拝の方式がかなり異なります。

さらに里山型の場合は、自然環境維持の観点から献花も禁じられているところがあり「お供えをしたかった」「献花もできないなんて」と不満を抱く方も少なくないようです。

5. 個別墓に入れる人数に制限があった

樹木葬でお墓に入れる人数は、お墓のタイプや区画によって異なります。特に注意したいのは人数制限のある個別墓で、区画によっては1~2人しか入れないところも少なくありません。その場合、あとから子や孫が入ることができなくなり、トラブルの原因となる場合もあるようです。

なお、霊園によっては人数制限のない個別墓を取り扱っているところもありますが、その場合、費用が高くなることが多いので注意が必要です。

樹木葬で後悔しないための対策法

樹木葬で後悔することのないよう、あらかじめ確認しておきたいポイントや、対策しておきたいことを4つご紹介します。

現地までのアクセスを確認する

参拝がおっくうにならないよう、現地までのアクセス方法や所要時間は事前にきちんと確認しておきましょう。

車で行く場合は、十分な駐車場が完備されているか、駐車場からお墓までどのくらい歩くのかなどを入念に調べておきます。特に里山型はお墓まで長く歩かなければならないケースが多いので注意しましょう。

公共交通機関を利用する場合は、最寄り駅から徒歩圏内にあるかを確かめておくと安心です。

費用を確認する

樹木葬に限らず、お墓を選ぶときはあらかじめ大まかな予算を決めておくことが大切です。その上で、埋葬費や維持管理費がどのくらいかかるのか、正確な見積もりを出してもらいましょう。

後から家族を埋葬してもらいたい場合は、都度どのくらいの費用が追加でかかるのかもチェックしておきます。

費用は個別墓より合祀墓の方が安いことが多いですが、コスト以外を度外視して合祀墓を選んでしまうと、納骨場所で後悔する可能性もあるので、ニーズと予算のバランスを考えて選びましょう。

納骨人数や参拝の方法を確認する

樹木葬を選ぶときは、必ず納骨できる人数や、参拝の方法について確認しておきましょう。

特に後から子や孫もお墓に入ってほしいと希望される方や、お花やお供えものをあげたいと考えている方は、霊園ごとのルールをきちんと把握した上で契約しないと、後のトラブルの原因となるので要注意です。

身内でしっかり話し合う

お墓は故人と家族や近しい人を結ぶ大切なものなので、身内の理解を得ないまま樹木葬を契約すると、無用なトラブルを招く要因となることがあります。

特に樹木葬は一般的なお墓に比べると認知度が低いので、樹木葬を選ぶ際は、あらかじめ身内の方と話し合い「そもそも樹木葬とは何か」「なぜ樹木葬にしたいのか」などをきちんと説明しておきましょう。

身内の方が抵抗を感じているのなら、その不満や不安の払拭に努めることも大切です。

【まとめ】

樹木葬で後悔しないために、事前の下調べはしっかり行おう

樹木葬はコスト削減や自然回帰を重視する方から人気を集めているお墓ですが、一方で「お墓参りするのがおっくうになった」「思った以上に費用がかかった」といったトラブル事例もいくつか報告されています。

樹木葬で後悔しないためには、あらかじめ現地までのアクセス方法を確かめる。予算を決めて検討する。納骨人数や参拝ルールをチェックするなどの対策を講じておきましょう。

また樹木葬を選ぶ際は身内の方ともきちんと話し合い、理解を得ることも大切です。

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