確実に進めたい墓じまいの方法
負担を減らしていくことにもなる墓じまい
お墓を持つことは、自分たちだけではなく、これから先の代々に負担がかかることです。作った本人だけではすまず、絶えず面倒を見ていかなければいけませんし、死後だれに継承するのかという問題も出てきます。古き時代であれば、家長となってついだ人間が墓も管理してきました。しかし、核家族化が進み、こうしたことを言い続ける時代でもなくなってきたのも確かです。交通の利便性が向上し、さまざまなところに住むようになったことで、遠方から墓参りに行くことも大変になりました。管理を考えても、負担は大きなものになります。そこで、共同墓地への埋葬も考えていく必要が出てきました。近場にお墓を写して管理するというのも、対策のひとつでしょう。そうなると、古いお墓は、片付けるという意味でも墓じまいすることになってきます。
墓じまいが問題になるのは、お墓を作る以上にその方法が知られていないからです。実際に言葉で表してみても、方法は簡単に思い浮かばないことでしょう。これが放置してしまうことにもつながり、社会問題にもなってきました。基本的な考え方として、お墓を移転させるのか、管理負担自体をなくすために共同墓地を利用するのかがポイントです。なぜ、こうした問題を考えるのかといえば、墓地埋葬法という法律がかかわってくるのがあげられます。法律で定められていることから、手続きをしていかなければいけません。自分が移したいからといって勝手に進めることができるわけではないことを覚えておく必要があるでしょう。
墓じまいの基本的な方法
墓を引っ越しするということになれば、一体どこに用意したのかになるため受け入れ証明書を発行してもらうところから墓じまいはスタートしていきます。次に現在のお墓のあるところの管理者に対して、墓じまいすることを伝えなければいけません。そこで、埋葬証明書を発行してもらうことになります。さらに、墓地がある市区町村に対して改葬許可の申請をして改葬許可証を取得しなければいけません。これを管理者に対して提示して、遺骨の取りだしをおこないます。閉眼法要といったことも、この時点でおこなうことになるため、準備もしなければいけません。
墓じまいとして、墓石を処分して更地に変えつつ新しい管理者に対して改葬許可証を提示し埋葬します。開眼供養などをおこなっていくことになりますが、古いお墓は返還することになり終了です。方法としても行ったり来たりするところがありますが、効率的におこなっていくことが必要でしょう。さらに問題になるのは、行政手続きであるということです。提出手順などはあっても、すべてが同じではありません。窓口も決められているわけではなく、書式も異なるのは、条例で決められている部分だからです。埋葬証明書がなければ、新しいお墓に埋葬することができません。そのためには、これまで付き合いが続いた管理者に話をしなければならないので確実に重荷になります。寺院墓地などでも大変なことになりやすいことではありますが、移転先を見ていのままでもできることもありますので、事前に確認してから交渉するのでもいいでしょう。
家族や親戚に理解してもらうということ
墓じまいの方法は自治体によって変わりますが、現実的な費用も考えていかなければいけません。実際にさまざまな費用も考えておかなければいけないことで、大きく費用が掛かってしまう可能性もあります。そのひとつが離檀料です。離檀料に関しては、決められた金額はありません。さらに、法的な根拠も全くありませんので、あまりに大きな金額を請求された場合には、弁護士を含めた第三者を入れることも必要です。法外な金額になってしまうという例もあるため、気を付けなければいけません。
墓石の撤去にも費用がかかりますが、石材店や専門の業者に依頼することになります。そのため、事前に相見積りを取るなどして、情報を集めておく必要があります。急ぐときもありますが、できる限り慎重に決めることも必要です。
納骨するときにも費用がかかりますが、永代供養墓の利用を考える場合には、管理費などの支払いも用意しておかなければいけません。毎年支払うようなかたちの場所もありますが、確認しておくことが必要です。
方法としては、ある程度理解できるとしても家族や親族などが理解できているかどうかも大切になってきます。自分だけで決めるのではなく、親戚との話し合いも大切です。あとから聞いていなかったという話になると、必ずもめることになっていきます。せっかくお墓を移す機会にもめてしまうのは、後悔することになるでしょう。罰が当たってしまうようなことはありませんが、家族や親戚同士でもめてしまうことは決していいことではありません。そういった事態にならないようにしていくことが、墓じまいという方法ではもっとも大切であるといえます。