家族葬とはどこまで呼ぶ?呼ぶ範囲や判断基準について解説

最近の葬儀は参列者の少ない家族葬で実施するケースが多くなってきました。今まではあまり見られなかった葬儀の形態なので、招待する参列者をどの程度の範囲にするかでトラブルになるケースもあります。どこまでの範囲の人を呼ぶのか、また呼ばない人にはどう対応するのかは、難しい問題です。

本記事では、家族葬ではどこまでの範囲の参列者を呼べばいいのか、また呼ばない人への対応方法を解説します。

家族葬にどこまで呼ぶか明確な決まりはない

家族葬にどこまでの参列者を招待するかは、基本的に喪主や近親者の考え方次第で異なります。そもそも家族葬という言葉には、はっきりとした定義はありません。基本的には家族やごく親しい親族だけで故人を見送る葬儀のことで、広く告知はせず、呼ぶ人を限定する葬儀と考えればよいでしょう。

そのため、家族葬だからといって参列者を家族に限定する必要もありません。場合によっては故人と親しかった友人を呼ぶケースもあります。

家族葬にどこまで呼ぶかの判断基準

明確な決まりがないとはいえ、実際に家族葬にどこまでの範囲の人を呼ぶかというのは、難しい問題です。判断に迷うようであれば、以下のようなポイントを判断基準の参考にしてください。

故人の遺志を尊重する

近年は終活という言葉も認知され、人生の後半をどのように過ごし、亡くなった後どのように見送ってほしいかを生前に自分で考える方が増えてきました。できれば故人の希望がかなうような葬儀にしたいと考える方もいるでしょう。

葬儀に関して話し合うことは、何も縁起の悪いことではありません。著名人においても、故人の意向により近親者のみで葬儀を行ったとのニュースをよく耳にします。元気なうちに家族でどんな葬儀にしたいのか、誰を呼んでほしいのかを相談しておくとよいでしょう。

静かに見送りたい

家族が亡くなって気が動転している状態では、多くの参列者にあいさつ・対応するのは遺族にとってたいへんな負担になります。あまり他人に気を遣わず落ち着いて静かに故人を見送りたいのであれば、普段付き合いのない人は呼ばなくても構わないでしょう。

式場の規模で決める

式場の規模から招待者の人数を決める方法もあります。小さい式場では10名程度、大きい式場の場合は50名以上が収容人数の目安です。10名程度であれば、それほど広範囲の人は呼べません。同居家族と故人の兄弟姉妹くらいでしょう。大きな式場であれば、遠い親戚や生前交流のあった人、会社関係者も呼べます。

過去の葬儀の例を参考にする

例えば自分の父親が亡くなった場合、既に母親が亡くなっているのであれば、母親の葬儀で誰を呼んだかを思い返してみましょう。また、親戚に喪主を務めたことのある人がいれば、そのときの出席者を聞いてみるのも参考になるでしょう。詳しい状況が分からなければ、親族の中で出席予定の年長者に相談するのも一つの手段です。

葬儀後の付き合いを考える

故人の生前は親しく交流していても、亡くなった後は交流が途絶えるような関係の人も多くいます。反対に、葬儀後も付き合いを続けるような人に対しては呼ぶ方向で検討するのがよいでしょう。

迷ったときは呼ぶ方が無難

葬儀に呼ばれずに不満を言う人はいますが、葬儀に呼ばれて文句を言う人は見かけません。呼んで失礼になることはないので、どうするか迷ったときは呼ぶ方が無難です。

家族葬に呼ばない人への対応

家族葬に呼ばない人に関しては、以下のような対応を事前に考えておきましょう。一つは、呼ばない人には事前に連絡するのか、事後にするのか。もう一つは、呼ばなかった人がお悔やみを伝えに来た場合、どのように対応するのかです。

呼ばない人への葬儀前の対応方法

後々トラブルになりそうな場合には、できれば事前に電話などで丁寧に説明した方がよいでしょう。参列を遠慮してほしい理由も明確にしておく必要があります。故人の意向との理由であれば、相手も納得してくれる可能性が高いです。文書やメールで知らせる場合は、間違って弔問に来ることのないように、弔問は断る旨を明確に伝える必要があります。

呼ばなかった人への葬儀後の対応方法

葬儀に呼ばなかった人へ葬儀後にどのように連絡するかも、重要な問題です。相手に失礼のないような方法を考えなければなりません。高齢の親族の中には、葬儀に呼ばれなかったことに対して気分を害する人が出てくる可能性もあります。

事後報告の際は、葬儀を既に執り行った旨の案内(ハガキまたは封書)を送付すればよいでしょう。四十九日法要を滞りなく済ませたことの案内や、喪中はがきなどで知らせる場合もあります。

呼ばなかったのに来た人への対応方法

家族葬への参列の辞退をお願いしても、弔問に来る人もいます。そのようなときに、誰がどのように対応するのかも、事前に決めておかなければなりません。基本的には、わざわざ来てくれたのに断るのは失礼なので、喪主が丁重にお礼を述べるのがマナーです。また参列のお礼として渡す粗供養品なども余分に用意します。


【まとめ】

家族葬にどこまで呼ぶかを決める際はトラブルや後悔のないように

葬儀は故人を見送る大切な儀式です。できれば故人と関わった人の多くが納得できるような形で執り行いたいものです。葬儀の形式は故人の遺志を優先しつつ、ご自身が対応できる範囲の人を呼ぶとよいでしょう。また過去に喪主を務めたことのある親族に相談するのも一つの手です。

家族葬に呼ばない人に対しては、事前に電話で連絡を入れるか、事後に葬儀を行った旨を知らせる書面を送りましょう。トラブルや後悔のないよう、あらかじめ家族で話し合っておくことも大切です。

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